気になること

米国のS&P500株価指数が連日のように最高値を更新する中、ウォール街が一身に注目を集めているかもしれない。それと比べて目立たないのは、欧州がそれほど引けを取っていないことだ。

 欧州の最大手クラスの企業の株価は、世界的なリスク資産高騰と、ユーロを救うために「必要なことはすべてやる」という欧州中央銀行(ECB)の言質を支えに、危機以前の高値まで戻している。ドイツ株は史上最高値を更新した。

企業収益の改善や景気回復の裏づけがない「流動性相場」


米国株ほど目立たないが、欧州株も上昇している(写真はフランクフルト証券取引所)〔AFPBB News〕

 米国と欧州の上昇相場の大きな違いは、ウォール街の株高が利益成長の改善と景気回復の兆候に裏打ちされていることだ。対照的に欧州では、悲惨な決算発表シーズンから、通年の業績が期待外れになることがはっきりした。

 実際、5月半ばに発表された公式統計では、今年1~3月期のユーロ圏の経済成長が6四半期連続でマイナスになったことが明らかになった。

 投資家の念頭にある疑問は、欧州が近く危機を脱し、株価上昇を持続可能なものにするかどうか、だ。

 ABNアムロ・プライベート・バンキングの幹部、ディディエ・ドュレ氏は「欧州では、記録に残っている限り、企業収益と市場のズレが過去最大になっている。だから、景気回復を信じていないといけない」と言う。

 このズレが一番はっきり見えるのが消費財セクターだ。ディアジオ、ユニリーバ、ペルノ・リカール、ネスレなどの企業は、第1四半期の決算が事前予想を下回ったにもかかわらず、史上最高値に近い水準で取引されている。株高を引き起こしているのは、たった1つの要因で、収益を求める投資家が欧州に焦点を移したのだ。

日銀の緩和策の連想で株高に拍車

 シティグループの株式ストラテジスト、ジョナサン・スタッブス氏は「これまでに起きた最も重要なことは、株式が再評価されたことではなく、社債利回りが暴落したことだ」と指摘する。米国、日本、欧州の中央銀行が市場に流動性を供給する対策を受け、社債や国債の利回りが史上最低水準まで低下。投資家は、株式など、より利回りが高く、リスクの大きい資産に向かうようになった。

 ECBが今月の利下げに続き、もう一段の金融緩和に踏み切るとの期待は、日銀の政策行動との比較を想起させ、欧州の株高に拍車をかけた。

 「日銀が経済に再びインフレをもたらすことにはっきりコミットしたため、日本株は大幅高を演じてきた。年初来の上昇率は42%に上っている」。クレディ・スイス・プライベート・バンキングのチーフ・インベストメント・ストラテジスト、バーバラ・ラインハート氏はこう話す。「ECBもやはり非常に大きなコミットメントをしたが、欧州のデレバレッジ(負債圧縮)プロセスはまだ初期段階にある」

 欧州株に強気になる根拠は、2010年にユーロ圏の債務危機が勃発してから概ね敬遠されてきたために、株価が過去の長期平均と比べてまだ割安だということだ。

 ドイツ銀行の株式ストラテジスト、ギャレス・エバンズ氏は「誰もが欧州の上昇相場は完全に流動性頼みだと思っているが、注目すべきファンダメンタルズの基準もいくつかある」と言う。

 欧州主要企業で構成する株価指数STOXX欧州600は、2013年の予想利益に基づく株価収益率(PER)が13.4倍の水準で取引されており、長期平均に沿っている。エバンズ氏によると、工業部門の銘柄は特に魅力的だという。

 APモラー・マースク、シーメンス、アグレコ、アトラスコプコは過去3年間で、市場および自社の長期バリュエーションに対して安くなった。危機の大部分を通して嫌われてきた銀行株も、株式の強気筋のお気に入りだ。金融機関が自己資本を増強しているため、銀行株は魅力的に見えるという。

ファンダメンタルズの改善がカギ

 だが、今のところ、欧州の株高は債券に似た特徴を持つディフェンシブ銘柄の大幅上昇に支えられてきた。多くの投資家は慎重な姿勢を崩していない。シュローダー・プライベート・バンクの最高投資責任者(CIO)、ロバート・ファラゴ氏は、欧州の経済成長は大胆に株式に転換するほど改善していないと警鐘を鳴らす。

 「我々も多少、債券に似た銘柄から景気敏感株に乗り換えたが、それ以上踏み込むことはないだろう」とファラゴ氏。「経済の下振れリスクが低下したため、景気敏感株にはある程度の価値があるが、我々はまだ低成長環境にいる」

 ピクテ・アセット・マネジメントの投資チームは今も株式に中立で、欧州の株高があとどれくらい続くか疑問視している。ピクテのチーフストラテジスト、ルカ・パオリーニ氏は「市場が調整局面を迎えなかったら驚きだ。調整が起きた後に中国で成長が見えたら、買い場が訪れる」と述べ、「我々はファンダメンタルズが弱い時にパーティーに参加することには慎重だ」と話している。

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金融緩和合戦だけど、結局、行き場のないおカネがどこに向かうかの話で、株を含めた実物に行くだけ。欧州は大不景気だけど、金融緩和の影響で、株価は実態とかい離して上がるのだろう。モルヒネはそんなに長く続かないと思う。
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