これは必見

The Economist 新たな「新大陸」:中南米に人材が殺到 2013.04.10(水)

中南米の移民の歴史は昼食を取りながら語るのが一番だ。タコスとトスターダの屋台が全米に広がったのは、1200万人ものメキシコ人が米国に移住したからだ。

 マドリードでは、2000年代初頭の経済危機を逃れたアルゼンチン人が「パリージャ」で焼くステーキがジュージュー音を立てている。こうしたご馳走を胃に流し込むために、どの大都市のバーも、キューバからの亡命者が作るモヒートを提供している。 近年、料理の趣向は双方向に流れている。メキシコシティには、スペインのタパスバーがたくさんある。サンパウロでは、ポルトガルの新しいベーカリーが次々できている。米国のレストランも国境の南側で急増している。その理由は、中南米が進取の気性に富んだ移民の出発地であると同時に、目的地にもなったからだ。

危機の欧州諸国などから若者が移住

 先進国は、景気が低迷するに従い、流動的な労働者と頭脳を引き寄せる場所ではなくなった。メキシコから米国への移住者は、差し引きでほぼゼロに減少した。若者の半数以上が失業しているスペインでは、2011年までの5年間で、毎年中南米に向かう移住者数が3倍に増えた。「彼らは必要に迫られ、仕事のために海外に移り住む不安を克服した」と話すのは、コスタリカ在住のスペイン人、ファン・ホセ・リバス氏。中南米に29のホテルを所有するスペインの旅行会社バルセロで地区代表を務めている。バルセロでは現在、スペインの移住希望者からの求職が殺到しているため、中南米で欠員募集広告を出す必要がないという。

 過去5年間のうち4年間経済が縮小したポルトガルでは、若きマゼランたちが仕事を求めて国外へ旅立っている。ブラジルが欧米から受け入れている移住者の数は現在、(少なくとも合法な移民については)中南米諸国からの移住者より多い。 世界銀行によれば、ブラジルからポルトガルへの送金は、ポルトガルからブラジルへの送金よりも多い。メキシコとスペインの間でも同じことが言える。アルゼンチンに住むスペイン人は年間10億ドル以上を母国に送っている。反対方向に流れる資金の4倍の額だ。移住者が、母国にとどまった場合より多くのことを習得し、早く昇進できることに気付くことも多い。

 「メキシコは私に、職業的に成長する機会を与えてくれている。欧州ではなかなか得られないチャンスだ」。イビサ島出身で、英国の不動産コンサルティング企業マクベインズ・クーパーのメキシコ担当マネジャーになるために2010年に西に移住したホルヘ・ライネス氏はこう話す。生活スタイルは思わぬボーナスだった。メキシコシティのライネス氏の事務所は、貸し自転車で自宅から15分の場所にあるのだ。 新たに出現した中間層にサービスを提供するために、外国企業が中南米に押し寄せている。その大半は新規参入する際、事業を管理するために外国人を送り込む。メキシコでは、仏ロレアルが12月に開設した世界最大のヘアカラー工場を含む新たな化粧品産業をフランス人幹部たちが取り仕切っている。1月には独フォルクスワーゲン(VW)がプエブラにある巨大自動車工場を補完するために大規模なエンジン工場を新設した(プエブラにある黒パン専門店は、メキシコに駐在するVWのドイツ人幹部90人を相手に商売している)。

 中南米企業も移住者をどんどん採用している。人材派遣会社マンパワーによると、ブラジルの雇用主の71%は人員補充に苦労しているという。ここへ来て成長が鈍化しているものの、拡大するブラジル経済は過去8年間で1250万人の正規雇用を生んだ。

 マンパワーでブラジル事業を率いるイタリア人のリカルド・バルベリス氏は、ブラジルはあまりに急激に拡大した結果、経験豊富な人材が足りなくなっていると話している。このことは、ブラジル人であれ何人であれ、優秀な人材は割高な報酬を要求できることを意味している。ひいては移住者にとって、ブラジルが一段と魅力的な目的地になるということだ。

 バルベリス氏の話では、石油・天然ガスの技術者はブラジルで、欧州より2割程度高い報酬を得られるという。長い目で見れば、中南米諸国は現在レベルが低い学校を改善することで技能不足の問題に対処できる。メキシコの生徒の試験の成績は、メキシコよりずっと貧しいタイやルーマニアの生徒と同程度だ。ブラジルはそれ以上にひどい。しかし、状況は好転している。ブラジルでは学校の入学者数が増えており、メキシコでは最近、ハンドバッグや美容整形手術に散財するために組合費から1億5000万ドル以上横領した罪で、教員労働組合の代表が逮捕された(本人は容疑を否認している)。また分野によっては国内のスキルが向上している。「10~15年前は、ブラジルで銀行が売り込みをかける大規模な会議に行くと、バンカーは皆、会議のために出張してきた米国人だった。今は全員ブラジル人だ」。投資銀行UBSのメキシコ支店を率いる英国人、ダミアン・フレイザー氏はこう言う。また、仕事を勝ち取る銀行が地元銀行であるケースも増えている。 それでもやはり、中南米の企業は、外国の人材、知識、コネを容易に得られたら恩恵を受けられる。だが残念なことに、多くの政府は外国人の採用を難しくしている。ブラジルのビザを取得するには半年かかることもある。

 UBSは、ポルトガル人のアナリストをサンパウロ支店に異動させるのを何カ月も待っている状態で、金融サービス業の試験がポルトガル語のみで行われることから、ブラジルにデンマーク人従業員を転勤させることができなかった。

 効率の悪い港湾と高い関税は、移転を高くつくものにしている。いったん入国すると、ブラジルから出ていくのは困難だ。ブラジルを離れる外国人居住者は、文化遺産が盗まれていないか調べるために、私財の検査を受けなければならない。

 ブラジル政府は最近、IT産業の従事者についてビザの取得を迅速化すると発表したが、他産業で働く者にとっては手続きは煩雑なままだ。

 国民の1割が海外で暮らしており、規模が同程度のどの国よりも経済が開かれているメキシコでさえ、外国人に対して神経質だ。外国人は国境付近や沿岸部の不動産を買うことができない(国家安全保障のためだという)し、特定の業種への投資も認められていない。

 グリンゴ(米国人)が採掘に投資することが禁止されていることから、石油は地中に眠ったままだ。外国生まれのメキシコ国民は閣僚になることもできない。 中南米諸国が移民の管理が下手なのは、驚くに当たらない。何しろ長年、ほとんど対処する必要がなかった。米国と英国では国民の13%が外国で生まれているのに対し、メキシコでは1%未満、ブラジルでは0.3%だ。中南米諸国が成長するにつれ、外国生まれの人口が急増するだろう。優秀な外国人を雇うことは、地元の企業の繁栄に役立つはずだ。



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