悲報 スペイン差し押さえ

(2012年11月13日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

スペインのメディアは、自宅からの立ち退きを迫られた人が2人自殺した件に釘付けになっている。このような自殺は悲劇ではあるが、極端なケースだ。しかし、何千人もの人が差し押さえのリスクに直面している今、スペイン政府が銀行による住宅差し押さえを困難にする対策を検討していることは正しい。大規模な差し押さえには、広範に及ぶ社会的、経済的代償が伴う。自宅を失うことは、個々人のドラマにとどまらない。国にも負担がかかる。空き家は近隣の活気をそぐだけではない。周辺の不動産価値も低下させ、自己強化的な悪循環を生む。

差し押さえを制限する対策を

 流れを反転させるためには、協調的な取り組みが必要だ。だからこそ、超党派の合意をまとめるために野党・社会労働党へ働きかけることにした与党・国民党の決断は歓迎される。両党の取り組みは、弱者を立ち退きから守るという差し迫った危機に焦点を合わせるべきだ。その第一歩は、差し押さえを制限することでなければならない。だが、返済猶予制度を一律に適用すべきではない。例えば、まだ仕事があって転居できるが、分不相応なローンを組んでしまったような人が恩恵を受けるべきではないだろう。危機時に国有化された銀行については、政府は即座にルールを設定できるはずだ。特定のケース――例えば、自宅の価値がローン残高を下回る状態にある失業者など――ではローンの返済条件の再交渉を求めるべきだ。もう1つの選択肢は、差し押さえを実施したうえで、住宅ローンの借り手が手頃な家賃を払い賃借人として住み続けられるようにすることだ。民間銀行について言えば、業界団体が12日に、困窮に陥っている場合には自主的に返済猶予に応じる措置を発表した。これは歓迎すべきことだ。
しかし過去の経験は、国の圧力がないと、あまり成果が上がらないことを物語っている。結局、差し押さえの制限に関して以前合意された自主規制は概ね無視されている。このためスペイン政府は、返済猶予の実施状況について、定期的な報告を求めるべきだ。

現実を直視しなければ、犠牲はさらに拡大

 確かに、こうした対策により銀行の評価損が膨らむ可能性がある。だが少なくとも、銀行はこれでようやく、一部の銀行融資、とりわけ住宅ローンの毀損の度合いを認めざるを得なくなる。自己欺瞞に陥っているのは銀行だけではない。政府は国内銀行を支援するために欧州安定メカニズム(ESM)からたった400億ユーロの融資を受けることを検討している。これは実際に必要な額に届かない。銀行危機には人的損失が伴う。既に高すぎる代償を支払った人もいる。スペイン政府と銀行が現実に向き合わなければ、代償は大きくなる一方だ。

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