中国不動産の真実 JB Pressより

 実態はもっと深刻な状況にある。成都で不動産営業に従事する女性は、ブログで市況の悪化をつぶさに描写していた。

 「朝から晩まで頑張っても、住宅を『買いたい』という客は1人もいない。たとえ見つけても他社と猛烈な奪い合い。今年、年棒10万元を目標にしていたのに、私の今の月収はたったの1000元。とても生活できないから転職することにした」(注:1元=約17.5円)

 日本企業が集中する大連では「3~4割は下落した」(現地の日本人駐在員)と言われている。大都市・上海でも「ここだけは絶対下落しない」と言われてきたにもかかわらず「不動産仲介業者が軒並み潰れている」(現地の中国人管理職)と言う。

 あれほど猫も杓子も飛びついた中国不動産だが、今では投げ売り状態だ。

 河北省の唐山市では、1軒500万元の高級戸建てが「5軒まとめて340万元」と十把一絡げで売られている。まさに日本のバブル崩壊時を彷彿させるような状況だ。

 さらに唐山市では、住民が持て余したマンションの一室を犬小屋や鳩小屋にするという珍事も報道されていた。ある住民が、「事業用不動産」として6戸のマンションを手に入れた。ところが借り手がいない。やむなく「1戸は自宅用、2戸目は犬小屋、3戸目はハトの養殖」に使った。しかも残りの3戸は空き家のままだという。

 現地の報道によれば、「浙江省や江蘇省、福建省、広東省など沿海部の諸都市で、債権者による差し押さえのための裁判が急増中だ」という。購入者のなかにはサラリーマンもいる。売却益を見込み、ローンをめいっぱい組んだものの、中国経済の成長が鈍化。給料は目減りし、不動産も売れば大損、という中で返済計画が行き詰るケースが続出している。

競売にかけても買い手がいない

 筆者は今年5月、“バブル崩壊の激震地”である浙江省温州市を訪れた。温州と言えば、「炒房団」(不動産投機集団)が不動産を転がし、挙句、全国に先駆けて経済破綻した最もバブリーな都市である。案の定、住宅街に軒を並べる不動産仲介業はどこも開店休業状態で、終末的な雰囲気を醸し出していた。

 筆者がここで目の当たりにしたのが、不良債権と不良資産の山だ。返済が滞り、銀行によって差し押さえられた物件の「競売」が続出していた。しかも、不幸なことにそれらは「競売しても買い手がつかない」(地元の政府役人)のだという。多くの物件は「競売流れ」となってしまうのだ。

 投宿した周辺の物件の競売状況を調べると、確かに「競売流れ」が目についた。富裕層が多い住宅街に位置する、ある物件の評価額は360万元だ。300元から競売が始められたが、これを競り落とす者はいなかった。中国の報道によれば「競売物件の7割が流れる」らしいが、温州市では物件価格がたとえ半値になっても「見向きもされない」のが現状だ。

 中国最大のネットショッピングサイトである「淘宝網」(タオバオ)でも、不動産物件の競売オークションが行われている。競売対象になる浙江省の不動産数は10月27日時点で2万1517件を数える。

 浙江省の中でも温州市の競売件数は群を抜き、4700件を超える。7月には3400件だったから、この3カ月ほどで1.4倍弱に増えた計算だ。日に日に積み上がってゆく不良債権は、温州市の住宅融資額だけでも数億元規模に上る。

中国でも「不動産の証券化」がスタート?

 90年代、日本でも同じようなことを経験した。当時、日本では競売を行っても購入者が決まらず、商業用不動産や住宅など売れなくなった物件の大量処理が行われていた。日本の不良資産は100兆円近くにも上り、その一部を抱き合わせて売り飛ばす「バルク売り」が横行した。

 日本の不動産会社のある管理職社員は、そのときの様子をこう振り返る。「5000万円の物件を10戸抱き合わせても、3000万円程度の値段しかつかなくなっていた。こうした不動産は最終的に外資の禿鷹ファンドに買い叩かれ、二束三文で買われていった」

 その後、日本経済は「失われた20年」に突入していく。追い詰められた金融業界では、「不動産の証券化」が導入された。それが2000年代に入って始まった「REIT」(不動産投資信託)である。投資家から集めた資金を複数の不動産に投資し、そこから得た賃貸収入や売却収入を投資家に配当する金融商品だ。

 ある旧建設省OBはこの「不良資産の紙切れ化」には大反対だった。過去を思い出し、次のように話す。「大量の不良資産の処理に窮した銀行が導入したのが、不動産の小口証券化、すなわち不良資産を紙切れにすることだった。当時の役人たちは、配当利益を出せば売れるんじゃないかと考え、バブル処理の最終手段としてこれを導入した」

コメント

非公開コメント

プロフィール

禅師

Author:禅師
投資顧問 

今年は先行投資、出費のみ

実績:

2016年 先行投資50万円
2015年 先行投資300万円
2014年 先行投資300万円
2013年 先行投資250万円

住所:東欧(?まで)
好物:海老チャーハン
コロンビア珈琲
趣味:旅行
音楽鑑賞
美術鑑賞 
サッカー
ラグビー
キックボクシング

最新記事
最新コメント
カテゴリ
FC2カウンター
ブロとも一覧

土俗呪術随想録

海外の妖しい Blog 記事から

まほろばの蒼き惑星・・・宇宙の詩。 Psychic Medium
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Powered by FC2 Blog

FC2Ad

Copyright © 禅師 修行日記 All Rights Reserved.